24時間換気方式はどちらを選ぶ? 第一種換気? 第三種換気?

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投稿日:2023.06.23

お知らせ

建築基準法で24時間換気というものがあります。

当時、新築やリフォームをした住宅に入居した人が化学物質の濃度が高い空間に長期間暮らしていると健康に有害な影響が出るケースが多くなり(シックハウス症候群)、問題となりました。 そのため、シックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるために平成15年に法律に制定されました。

 

そもそも24時間換気とは?

シックハウスの元となるホルムアルデヒドの発散が少ない建材を使用して、24時間機械換気設備を稼働させるというものです。

建材に関しては、ほとんどのものがホルムアルデヒドの発散量が少ないものになっています。

あとは換気経路の室内体積が24時間機械換気設備により、2時間に1回居室の空気体積が入れ替わる様にしなければいけません。 24時間換気設備を稼働させるという事は省エネに逆行する形になるので、省エネ性のある(省電力)ファン(24時間換気用の換気扇があります。)を使用します。

 

24時間換気方式とは?

換気方式に3つあります。

第一種換気:機械給気+機械排気

第二種換気:機械給気+自然排気

第三種換気:自然給気+機械排気 です。

 

第二種換気を採用する住宅会社は少ないので割愛させていただきます。

第三種換気は浴室、洗面脱衣室等の湿気が多い場所やキッチン等の匂いが出る場所から機械で排気する様にして、居室(リビング・ダイニング、寝室等)に給気口を設置して自然に屋外の新鮮空気を取り込む方法です。

居室に箱型の空気取り入れ口を設けたり、サッシの上部に開閉式の空気取り入れ口を設けたりします。

一般的に採用されている方式です。

第一種換気は給排気どちらも機械で行うので、空気の入れ替えがしやすいものとなっています。顕熱交換型や全熱交換型があり、室内の温度や湿度を一定に保ちやすくなります。

福岡県では夏場の湿度が高いので、湿度も交換できる全熱交換型の方がお勧めです。

コストも下がって来て第一種換気を採用する例も多くなって来ました。

 

第一種換気と第三種換気のどちらを選んだら良いのか?

第一種換気の大きなデメリットは導入コストです。建築コスト重視で第一種換気の優先度が低いお客様は第三種換気を選ぶ様になります。

エアコンの空調効率を考えるとランニングコスト(日々の電気代)は第三種換気より第一種換気の方が有利になる場合もあります。

第三種換気に比べて第一種換気の方は熱交換を行うので、エアコンの設定温度を外気と差を縮めることが出来るので電気代が下がります。

ただし、「導入コストを電気代で元を取る」という考え方はそこまで有利にはならないので難しいと思われます。

暮らしの快適性重視の方は第一種換気がお勧めです。その際は全熱交換型を選ぶとよろしいです。

全館空調システムで24時間エアコンをフル稼働させる計画の方にも第一種換気をお勧めします。

私がお勧めする1階と2階に1台ずつの通常壁掛けエアコンで24時間空調する場合も第一種換気がお勧めです。

第一種換気の方が第三種換気を採用するより空調効率が良くなる(全熱交換型の場合)ので快適な上に経済的だからです。  逆に間欠冷暖房(部屋に居る時だけ冷暖房を使用する。)の場合は第三種換気でよろしいと思います。

PM2.5、花粉、黄砂等を気にされる場合、第一種換気は高性能フィルターがほとんどのシステムに着いています。第三種換気方式でも給気口に高性能フィルターが着いたものがあるので、それを採用すれば良いと思います。

第三種換気方式で高性能フィルターを着けたとしても第一種換気を導入するコストよりは安価になります。ただし、高性能フィルターは目が細かいので目詰まりしやすくなるので、掃除はどちらの方式でも頻繁に行わないといけませんのでご注意を。

 

文章で説明するのは難しい事だと改めて思いました。説明を聴きにご来社された方が分かりやすいかと思います。

 

※全熱交換型とは

換気によって失われる室内の空調エネルギーの全熱[顕熱(けんねつ=温度の事)と潜熱(せんねつ=湿度の事)]を交換回収することです。

顕熱交換型は交換回収が温度だけになります。

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